一糸纏わぬ行進
「裸の王様」という話をご存知でしょうか。
ええ、きっと知っていることでしょう。
子供の頃に絵本で読みましたね。
とある国の王様のもとに2人組の服屋が現れ、「正直者にしか見えない綺麗な服を王様に持って参りました。」と言い、面白いと思った王様はそれを次の日のパレードに着ていくことに決めます。
しかし、実際にその服を見ようとするとそこには何も見えず王様は困惑するのですが、大臣らが「綺麗な服だ」と言い出すので、自分が正直者ではないのかもしれないと思い周りに話を合わせます。
次の日、王様は正直者にしか見えない服を着ているのだと言って裸のままパレードを歩きます。民にもその服は全く見えないのですが周りの大人が見えるというものだから自分が正直者でないだけかと思い、みんなで見えるふりをしていると、一人の子供が王様を指さし「王様が裸で歩いてる!」と叫ぶのです。
それによって誰にも服が見えてないことに気づいた大人たちは、裸で歩く王様を嗤い始め、その後王様は「裸の王様」と呼ばれることになるのです。
話の概略はこんな感じか。
正直最後に呼んだのがいつかわからないので色々曖昧だがざっくり掴めていればいい。
もしかしたらラストは本によって若干改変があったりするかもしれないがうちにあったのは確かこんな終わり方だったと思うのでこれで話をします。
この話、今考えると風刺に富んでてめっちゃ面白くないですか。
たった二人の嘘から国民全員の嘘に至るまでの困惑と虚栄と羞恥。
まさに集団心理の産物かな。
さらに「正直者には見える服」というのに対して本当は「正直者には見えない服」であり、しかも実際に「見える」と言った者は全員正直者ではないという構成。
そして最後の正直者としての代表はただの一人の子供であると。
いやー面白い。
道徳を説く教材としてすごい意味を成してる気がします。
これに比べると桃太郎とか浦島とかなんなんだってなってしまう。
まあ毛並みが違うので一概に教訓的意味合いを持てと言うつもりはありませんが。
こう言った目線でいろんな童話とかを読み返してみるとまた楽しいかなーと思いました。
やりたいと思います。
図書館とかで子供たちに読み聞かせをしたりするイベントあったらちょっとやってみたいけど、どうなんだろうあるのかな。
子供は正直の象徴ですから、一つフレッシュなものを感じれる気がするのです。
あるいは、心に何も纏わない裸の王様なのかもしれないですね。
話は違いますが春になると不審者など増えますのでくれぐれもお気を付けを。
以上。